「ある小説にオメラスという理想郷が出てくる…」
TBSとWOWOWの共同制作で放送された日本の刑事ドラマ。「MOZU(もず)」の第1シーズンで悪役・東(長谷川博己)が言った話で、この番組のおかげで、その小説が中古本で数万円になったことがあります。
「オメラスという理想郷を知っているか?
オメラス(理想郷)の全ての幸せや美しい自然は
その子の犠牲の上に保たれていると
皆が理解していた
たったひとりの子供を地下室に閉じ込めておくことで
他の人々が幸せに暮らせるならと
住人達は見て見ぬふりをしているんだ
同じだろ?今のこの世の中とオメラスは
国家という最盛を維持するために
臭いものに蓋をする
そして子供を閉じ込めた地下室の門番
それが公安なんだよ」
その「ある小説」とはゲド戦記の原作者でもある「ル=グウィン」の『風の十二方位』のことだった。これは短編集なのだが、その中に「オメラスから歩み去る人々」というのが収録されている。一時話題になった『これから正義の話をしよう』の中で引用されていた話だ。
第2シーズンで東はさらにこう話した。
実はあの話には続きがあるんだ
オメラスの人々はあるタイミングで
地下牢の悲惨な子供の全てを知り
その事実にショックを受ける
子供を助けてやりたい
だが何千何万の人の幸福を投げ捨てていいのだろうか?
オメラスに住む人々の幸せと
地下牢の子供の一人の幸せを天秤にかけ
次第に事実を受け入れ、彼らの涙も乾いていく…
だがその中には黙り込んでふさぎこんでしまう人間もいた
彼ら少数派の人々は
一人で美しい門を出をくぐって、オメラスの都の外に出て行く
そして二度とオメラスに戻ることはない
倉木、
門を出てオメラスを見た時、いったい何を思うと思う?
俺はわかったんだ…理想郷をぶち壊し
偽りの秩序を乱すのが俺の使命だってことにな。
あなたなら、子どもを助けますか?そこから去りますか?それとも?
理想郷とは
過去のユートピア文学で表現されてきた「理想郷」にしばしば共通する特徴を挙げる。(Wikipediaより)
- 周囲の大陸と隔絶した孤島である。
- 科学と土木によってその自然は無害かつ幾何学的に改造され、幾何学的に建設された城塞都市が中心となる。
- 生活は理性により厳格に律せられ、質素で規則的で一糸乱れぬ画一的な社会である。ふしだらで豪奢な要素は徹底的にそぎ落とされている。住民の一日のスケジュールは労働・食事・睡眠の時刻などが厳密に決められている。長時間労働はせず、余った時間を科学や芸術のために使う。
- 人間は機能・職能で分類される。個々人の立場は男女も含め完全に平等だが、同時に個性はない。なお、一般市民の下に奴隷や囚人を想定し、困難で危険な仕事をさせている場合がある。
- 物理的にも社会的にも衛生的な場所である。黴菌などは駆除され、社会のあらゆるところに監視の目がいきわたり犯罪の起こる余地はない。
- 変更すべきところがもはやない理想社会が完成したので、歴史は止まってしまっている(ユートピアは、ユークロニア(時間のない国)でもある)。
あなたにとっての理想郷とは、どんなところですか?
世界幸福度ランキング2018
2018年3月14日、国連が『世界幸福度ランキング』を発表した。昨年日本は51位であった。
世界幸福度ランキング2018
第1位: フィンランド
第2位: ノルウェー
第3位: デンマーク
第4位: アイスランド
第5位: スイス
第6位: オランダ
第7位: カナダ
第8位: ニュージーランド
第9位: スウェーデン
第10位: オーストラリア
第59位:日本
幸福な国デンマーク(3度1位、最低3位)