賢者シレノスの知恵

ミダス王(王様の耳はロバの耳の)はディオニュソスの従者、賢者シレノス(ダイモン―人間以上で神以下の存在)に問う。

ミダス王「人間にとって最善最上のことは何であるか」

するとシレノスは次のように答えました。これが「シレノスの知恵」です。

「みじめな一日だけの種族よ、偶然と労苦の子らよ。聞かないほうがおまえにとって一番ためになることを、どうしておまえはむりに私に言わせようとするのか?一番よいことは、おまえには、とうていかなわぬこと。うまれなかったこと、存在しないこと、無であることだ。しかし、おまえにとって次善のことは ― すぐ死ぬことだ。」

悲劇の誕生 第3章 ニーチェ著より

 

この知恵を聞いて、あなたならどうしますか?

 

ホイヴェルス神父の「最上のわざ」

映画『ツナグ』のなかで樹木希林さん演じる主人公・渋谷歩美の祖母アイ子が、ヘルマン・ホイヴェルスの詩「最上のわざ」を紹介、それを収載したホイヴェルス随想選書『人生の秋に』に客注が相次いでいる。映画パンフレットには詩の一部が抜粋され、同書名が明記されていた。同書は1996年9月に刊行したあと、2008年に同社90周年を記念して新装版を復刻。10月17日、2刷を決めた。

<ツナグ 予告編>

 

この部分は、研究員のみ閲覧可能です。

「最上のわざ」

この世の最上のわざは何?

楽しい心で年をとり、働きたいけれども休み、しゃべりたいけれども黙り、失望しそうなときに希望し、従順に、平静に、おのれの十字架をになう。

若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、
ねたまず、人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり、弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること。

老いの重荷は神の賜物、
古びた心に、これで最後のみがきをかける。まことのふるさとへ行くために。
おのれをこの世につなぐ鎖を少しずつ外ずしていくのは、真にえらい仕事。
こうして何もできなくなれば、それを謙虚に承諾するのだ。

神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。
それは祈りだ。
手は何もできない。
けれども最後まで合掌できる。愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために。

すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と。

*『人生の秋に』 ヘルマン・ホイヴェルス著より

 

あなたの「最上のわざ」はなんですか?